県医大付属病院に形成外科 21日から診療
県立医科大学付属病院(吉田宗人院長、和歌山市紀三井寺)は今月1日、新たに「形成外科」を開設した。近畿2府4県の医学部がある12大学のうち、和歌山と滋賀の2大学にだけなかった。21日から診察を開始する。
形成外科は、生まれつきや加齢、事故、手術などで生じた体の異常、変形に対し、機能的かつ形態的に美しくする手術を行う。例えば、切断した指をつなげたり、火傷痕を皮膚移植できれいにしたり、乳がん手術で失った乳房を再建したり、先天性の奇形を治したりする。
和歌山県立医大では、県医師会から「リウマチ膠原(こうげん)病科」新設の要望を受けたことをきっかけに、平成24年度から臨床医学部門に2講座の新設を検討。同科(開設日未定)と形成外科の開設を決めた。
新たに就任した形成外科学教室の朝村真一教授(45)と吉田院長が17日、医大・高度医療人育成センターで記者会見した。朝村教授は久留米大学医学部を卒業。近畿大学大学院医学研究科を修了。平成15年に日本形成外科専門医、23年に日本頭蓋顎顔面外科専門医、24年に日本手外科専門医、25年に日本創傷外科専門医の資格を取得している。
吉田院長は「素晴らしい適任の人に来ていただいた」と朝村教授を紹介。これまで形成外科がなかったために他府県に出ていく学生もいたといい、開設を喜んだ。
朝村教授は「形成外科は患者の心と性格を変える、これは命と同じくらい大切なこと。直接、命に関わることは少ないが、人生の幸せをお手伝いする科だと思う」と話した。
吉田院長によると、形成外科の専門医は全国に約2400人いるが、県内には7人しかいなかった。今回、同院形成外科に朝村教授と和田仁孝講師の2人が着任し、9人になった。将来的には院内のスタッフを5人まで増やすという。