布絵本など贈る 「あかり」が県立図書館に
視覚障害のある人のための絵本や教材などを制作する、拡大写本グループあかり(榎純子代表)は7日、和歌山市西高松の県立図書館に子ども向けの拡大写本や布絵本25冊を寄贈した。
拡大写本とは、弱視の人が読みやすいよう文字を大きくしたり、イラストの色づけを認識しやすくしたりするなど工夫した本。
同グループは、これまで盲学校や知的障害者施設などに絵本を贈ったことはあったが、同館への寄贈は初めて。
今回寄贈された拡大写本は「いない いない ばあ」「14ひきのさむいふゆ」など、市販の絵本を基にしたもの。手書きの大きな文字に、イラストは黒でしっかりと縁取りをし、明るい色彩にするなどの配慮がされている。
布絵本は「ノンタンぶらんこのせて」など。布やフェルト、ロープなどを一つひとつ手縫いし、丁寧に仕上げている。凹凸のある手触りで形を想像できるよう工夫がされ、さまざまな障害のある子どもたちが見ても楽しめる、温かみのある仕上がりとなっている。
この日、同館で行われた寄贈式では、メンバーと共に訪れた榎代表から立野淑郎館長に絵本が贈られた。
榎代表は「図書館で扱ってもらうことで、今まで出合うことのなかった、さまざまな子どもたちに出合う可能性が広がる。この活動に興味を持った方にも、ぜひ参加していただきたいです」と笑顔。同館では「読むことを諦めてしまっていた子どもたちにも、読書の楽しさを感じてもらえる機会が増える」と喜んでいた。
寄贈作品は今後、児童室で展示された後、コーナーを設けるなどし、要望に応じて貸し出しする(貸し出しは活字を読むことが困難な人に限る)。