高断熱住宅のススメ 健康・省エネシンポ
健康かつ省エネルギーで暮らせる高断熱住宅を推進しようと、「健康・省エネシンポジウムinわかやま」が8月30日、和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開かれた。約300人が参加し、住宅を高断熱化することのさまざまなメリットを学んだ。
一般社団法人「健康・省エネ住宅を推進する国民会議」(本部・大阪)が主催し、県などが後援した。
県立医科大学大学院・保健看護学研究科の有田幹雄特任教授は「和歌山の健康のカギそして町づくり」と題して講演。急激な温度変化がもたらす「ヒートショック」などで浴室で亡くなる人が年間1万9000人いるなど、家庭内事故死が増えていること、低い室温は血圧上昇や心臓血管疾患のリスクがあることなどを解説し、「家庭での血圧測定と、住宅環境の改善を」と呼び掛けた。
近畿大学建築学部の岩前篤学部長は「健康な住まい~機械に頼らず、我慢しない省エネ~」と題して講演。熱中症による死者は年間1000~2000人なのに対し、低温による死者は約12万人いると紹介。高断熱住宅に引っ越した約2万4000人を対象に行われた健康調査で、引っ越し後、足の痛みが和らいだ▽ぜんそくと花粉症が良くなった▽風邪をひかなくなった──などの声が多く聞かれたことを説明し、急激な温度差や低室温を防ぐ高断熱住宅が、健康に好影響を与える可能性があることが分かったと報告した。