アスベスト被害相談会 7日生協病院
アスベスト(石綿)被害に遭った人を救おうと、被害者やその親族らでつくる「泉南アスベストの会」と「大阪アスベストの弁護団」は11月7日午後1時から、和歌山市有本の和歌山生協病院で、医療と法律相談会を開く。無料。
アスベストは、天然の繊維状のケイ酸塩鉱物で、糸や布のように織れ、耐火や、遮音性に優れていることから重宝され、最盛期には、泉南市や阪南市に200社程度の石綿工場が存在した。アスベストを人が吸うと体内で分解されずに残り、中皮腫(ちゅうひしゅ)や肺がんを患うリスクが高くなるという。
被害者や遺族らでつくる第1次原告団は平成18年5月、国に当時の責任を求めて提訴。判断は最高裁まで持ち越され、昨年10月の上告審で、「昭和33年5月から昭和46年4月まで、国が石綿工場に局所排気装置を設置することを義務付けるべきであった」などとして、国の責任を認める判決が言い渡された。
その後に被害者らが国に損害賠償を求めた訴訟では、1次と2次を合わせ被害者や遺族の計24人に対し、6435万円を国が給付することで和解した。
23日には、県内外の被害者遺族らが県庁で記者会見し、「和歌山県でも、発電所や鉄工所、水道工事などでアスベストを使っていたことから、潜在的な被害者が大勢いるので、相談会で救済につなげてほしい」と利用を呼び掛けた。
当日は、弁護士による法律相談がある他、医師による医療相談もあり、希望すればレントゲン撮影(1000円実費)もできる。現在の救済制度では、労災や石綿救済法による給付金に加えて症状に応じ、550万円から1300万円の損害賠償金が給付される。
当日、相談会に行けない人は、弁護団ホットライン(℡090・3273・0891)に着信履歴を残せば、弁護士から折り返しの電話がある。当日の場所などの問い合わせは同病院(℡073・471・7711)。