芸術活動で障害者に仕事を ポズック開所

障害のある人が地域に開かれた芸術活動に取り組んできた社会福祉法人一麦会(田中秀樹理事長)の「むぎピース出張所ポングリ図画耕作所」が、就労継続支援B型事業所となり、名前も「Po―zkk」(ポズック)と改め、紀の川市粉河に開所した。

昨年4月に6人で発足した「ポングリ図画耕作所」は、現在の場所から近い古民家山﨑邸で活動してきた。ポズックは、従来の活動の幅を大きく広げ、さまざまな芸術、表現活動を仕事とし、「はたらく」と「いきる」をともに創り出すことを目指している。現在は11人の障害者が集い、デザインをスタッフがかばんなどにして販売している他、オリジナル紙芝居を披露することなどで工賃を生み出している。

先月25日、山﨑邸で開所式が行われ、田中理事長やポズックのメンバー、関係者ら約80人が新出発を喜び合った。

田中理事長は「ポズックは芸術活動を通じて障害のある人たちの働く場を拡大し、地域の一員として少しでも役に立つように努力していく決意です」とあいさつ。その後、ポズックのメンバーはオリジナル紙芝居「てんぐりやま」を出席者に披露した。

ポズックは約30坪の敷地にある3階建ての建物を活用し、1階が作業スペースとなっている。野中康寛所長は「作業所はスタッフが用意したことをするイメージがあると思うが、ポズックでは個性や持ち味を生かした仕事ができる」と話し、「これまでより広くなったので、作業効率が上がる」と期待している。

開所時間は平日の午前10時から午後3時まで(土日曜、祝日は原則休み)。定員20人。オリジナル紙芝居の上演希望や問い合わせはポズック(℡0736・60・8233)。

オリジナル紙芝居を披露するポズックのメンバー

オリジナル紙芝居を披露するポズックのメンバー