豆腐屋で再出発 元競輪選手の石田さん
華やかに活躍するプロスポーツ選手。 引退後には、 畑違いの職業に挑戦する人も多い。 30年の競輪人生にピリオドを打ち、 豆腐職人として第2の人生を歩み出したのが岩出市中島の石田和雄さん (49)。 石田さんは、 先月下旬から豆腐製造㈲武田食品 (同市吉田、 武田康嗣社長) で勤務している。 競争を耐え抜いたその性格から、 同社の武田社長 (58) も 「体力も根性も十分。 頑張ってほしい」 とエールを送る。
石田さんは、 昭和56年10月に競輪デビュー。 和歌山競輪界をけん引した一人で、 生涯通算成績は272勝。
豆腐屋の朝は早い。石田さんは現在、見習いとして毎朝5時に出社。製品の整理や配達など忙しい下積みの日々を送っているという。
武田社長によると、 豆腐作りは、 毎日同じ品質を保つための製造管理が特に難しい。 その日の天候や温度、 湿度により、 素材が変化するからだ。 その微妙な感覚が分かるまでには5年ほど修行が必要で、 毎日原料の大豆とにらみ合いが続くという。
石田さんは 「これからこつこつ技術を磨きたい」 とし 「元競輪選手が自転車で豆腐を売ったら面白いかも」 と意欲を見せている。