「のんびりして、心休まる」 都会にはない和歌山の良さ
大阪市からお仕事でお越しの公認会計士さんに、 お城の見えるホテルでマッサージを施しながらお話を伺うことができました。 和歌山には度々お見えになるとのことなので、 和歌山の印象をお尋ねしますと 「のんびりしていていいところですね」 とのお答え。 「以前に比べて活気がないとお感じでしょうね?」 と重ねてお尋ねすると 「それはそうですね」 とおっしゃる。
笑顔を絶やさない聞き上手なお人柄に甘えて、 まちづくりについての私の思いをぶつけてしまいました。 「大阪が大好きな友人にその訳を聞くと、 地下街が魅力だというのです。 天候に関係なく、 地下に潜れば楽しくショッピングできて飽きることがない、 と。 うらやましい限りです」
「姫路に行ったとき、 駅を降りてアーケード商店街を歩いているうちに、 お城にたどり着きました。 駅とお城がアーケードで結ばれている。 そんなまちづくりを和歌山でもできないものだろうか、 と思います」 という私の話に、 にこやかに耳を傾けてくれていた会計士さんがこうおっしゃいました。
「和歌山には、 確かに地下街も、 駅とお城をつなぐアーケードも、 ありません。 でも私は和歌山の、 のんびりして心休まる雰囲気が、 とても好きなのですよ」。 私はないものねだりをして和歌山の良さに気付いていない自分が、 急に恥ずかしくなりました。
気ぜわしくなりかけた年の瀬に、 大阪からのお客様の言葉に、 和歌山の本当の魅力を教えていただいた気がしました。 (宮本年起 / 和歌山)