エ号調査団のトゥランルさん和歌山市訪問
明治23年(1890)に串本町大島沖で遭難したトルコ軍艦「エルトゥールル号」の海底遺品発掘調査団団長を務めるトルコの海洋考古学者、トゥファン・トゥランルさん(67)が3日、和歌山市を訪れ、尾花正啓市長の表敬訪問や節分行事への参加などで交流を深めた。
市役所で尾花市長の歓迎を受けたトゥランルさんは、今回の来市の目的の一つ、県立星林高校(西浜)でのエルトゥールル号の遺品保存作業の体験学習にふれ、生徒にできるだけ遺品に手で触れて歴史を感じてもらうように取り組んだことなどを紹介。さらに、同遭難事故を題材にした日本・トルコ合作映画『海難1890』の中で、トルコ人機関士が寂しさに泣く妻の涙を小瓶に入れて航海に出発するシーンについて、トゥランルさんが発見した乗員の遺品の瓶から再現されたものだったことなども披露された。
尾花市長は「串本での発掘調査や映画完成への貢献に感謝します」と述べ、トゥランルさんの活動に敬意を表した。
トゥランルさんは同日夜、和歌浦天満宮(和歌浦西)の節分行事を訪れ、裃(かみしも)と袴(はかま)を着て神事に参加。豆まきも行い、日本の伝統文化を体験した。
初めての体験に興奮ぎみだったトゥランルさんは「とても楽しかった。日本の精神を感じた」と話していた。