熊本地震被災地とウェブ会議 県が初実施
県は13日、熊本地震で大きな被害を受けた熊本県益城町役場の様子やがれき処理の状況などを把握するため、現地に派遣している職員と初めてのウェブ会議を開いた。遠隔地とのリアルタイムの会議により、より迅速、的確な方針決定などを行い、今後の災害などにも生かす。
和歌山県からは同日までに、がれき処理や保健支援、ボランティアセンター支援、行政窓口支援などの業務に計17人の職員を派遣。会議は、県庁南別館の防災研修室と益城町の現地連絡所などをつないで行った。
現地連絡所にいる防災企画課の石橋正信主査からは、「12日午後10時過ぎの大きな余震と、雨による二次災害に注意しながら業務に当たっている」、がれきの一次仮置場にいる自然環境室の野口和典主査からは、「冷蔵庫、テレビなどのリサイクル家電などの搬入は秩序立てて行われている」などと、それぞれ最新状況の報告があった。
県庁側では、災害対策課の酒井清崇課長、循環型社会推進課の中西研太主事らが「もっとゆっくり話してください」「音声が割れています」などと通信状況を確認しながら報告を聞き、現地連絡所の窓から見える被災した町や一次仮置場の様子の映像を求めるなど、指示を出していた。
会議を終えた酒井課長は、「5月中旬から試験的に導入したウェブ会議の効用で、被災地のニーズを早期に知り、的確な支援要員の準備をすることができた」、被災地で支援活動を経験した中西主事は「紀伊半島大水害の廃棄物処理の経験から得た県のノウハウで、搬入日や搬出日を決定するなど、がれき一次仮置場の運営ルールを作る支援を行った」と成果を話した。