次代へ語り継ぐ 日中不再戦の集い
日中関係が緊迫の度合いを増しつつある中、戦争の悲惨さを学び、両国の友好を願う「第46回日中不再戦の集い」が15日、海南市日方の燦々公園で開かれ、約30人が参加した。
日中友好協会県連合会などが主催。初めに黙とうをささげた後、参加者一人ひとりが日中両国平和の塔に献水を行った。
学徒動員先の住友金属伸銅所(大阪府)で大阪大空襲を体験した、同市在住の大松宏さん(87)が「B29の絨毯爆撃は威力がすさまじく、戦闘機製造用の金属が製造不可能になった。遺体焼却の手伝いもするなど、悲惨な体験をしたが、その歴史は十分に知られていない」と残虐な歴史に正面から目を向けることの大切さを強調した。大松さんによると、同工場の跡地には、USJが建っているという。
同連合会海南支部の幡川文彦支部長は「戦争体験者全体の減少が進む中、特に戦場を体験した人の減少が著しい。次の世代にしっかりと語り継いでいくことが重要」と述べた。
家族が塔の建立に携わった縁で、約40年前から毎年参加しているという同市在住の女性は「USJの敷地が当時は軍需工場だったと聞いて驚きました。多くの方の犠牲の上に現在の平和があることを痛感しました」としみじみとした表情で話した。