投票率低迷に悩む陣営と選管 岩出市長選

 岩出市長選(10月2日投開票)に立候補している新人の尾和弘一候補(69)=無所属=と現職の中芝正幸候補(73)=同、自民・民進・公明・社民推薦=が投票率アップを目指して選挙戦を展開している。平成8年の町長選の69・04%から、投票率は回を重ねるごとに低迷。前回は35・04%と過去最低を記録しており、市民の関心の低さを心配する声が上がっている。

 前回は、投票日の当日に台風が発生。その影響もあってか、投票率は過去最低となった。7月の参院選では、県下ワーストの49・97%。また、18、19歳の投票率は42・71%で、市全体の投票率を下回る結果となった。

 大阪府と隣接する同市では、岩出から大阪へ通勤する市民が1割ほどいるといわれる。また新興住宅も多く、日中は家にいないことが多い。こうした原因から、市の選挙に関心を持てない有権者が目立つ。

 この現状を打開しようと、市選管は啓発活動で周知に努めている。告示日には新聞折り込みで10月2日の投票日や投票時間、期日前投票の詳細などを記したチラシを配布。26日からは午前、午後の各1回、車でアナウンスを流しながら市内を巡回している。

 有権者の関心を高めようと、尾和候補の陣営では、投票率50%を目標に活動。後ろ盾のない中、草の根運動で有権者一人ひとりの関心を引き寄せている。幹部は「目標に1%でも近づけたい」と躍起だ。26日は午前に根来で辻立ちし、街宣車で市内を巡回。20カ所で演説し、政策や立候補までの経緯などを話した。

 中芝候補も現職としての責任感を抱き、投票率アップを図る。ある幹部は「まずは50%を目指す」としながらも「前回のように天候が悪いと下がってしまう可能性もある」と危惧。同日は備前で辻立ちをした後、約10社の企業を訪問。夜は個人演説会を開き、集まった20代~40代を中心とする有権者に訴えた。

 期日前投票者は26日現在、362人(男159人、女203人)。24日現在の有権者数は4万3623人(男2万776人、女2万2847人)。

投票日を記した市役所に設置の垂れ幕

投票日を記した市役所に設置の垂れ幕