つつてん踊り保存会に文化奨励賞 海南市
平成28年海南市文化表彰式がこのほど、同市の海南保健福祉センターであり、つつてん踊り保存会(北村照美会長)が文化奨励賞を受けた。
同保存会は江戸時代中期に漆器産業で栄えた黒江地区で遊宴歌などから派生したとされる「つつてん踊り」を継承する。踊りは各地から移り住んだ漆器商人や職人の影響を示す「近江八景」が題材のものなど21曲で、三味線とともに歌われる。
市の無形民俗文化財に指定された昭和46年10月に保存会を創立し、現在は約20人のメンバーで伝統芸能の伝承、普及に力を入れている。
式は行政関係者や歴代の受賞者が出席する中行われ、神出政巳市長が北村会長に表彰状を授与。神出市長は「紀州漆器まつりや下駄市で披露される黒江の風物詩であるつつてん踊りを保存、継承し、文化の普及に努められています。今後も本市の文化向上、発展にお力添えを」と敬意を表した。
来賓祝辞の後、北村会長があいさつ。「つつてん踊りは方言や祭りなど、いろいろな歴史にふれることができます。何もしなければ消えてしまうものですが、ふるさとを思う人たちをつなぐもの。多くの皆さまに支えられ、活動を続けてこられました」と感謝を述べた。