起業家教育充実へ 和大と日本公庫が協定
和歌山大学(瀧寛和学長)と㈱日本政策金融公庫和歌山支店(金子英一郎支店長)は9日、地方創生の実現に向け、起業を志す学生への支援や農林水産業の6次産業化などに協力して取り組む内容の「地方創生及び起業家教育にかかる産学連携に関する協定」を締結した。
協定により、来年度から同公庫職員が年3回程度、同大で起業についての出張授業を行い、起業を考えている学生からの相談や融資の依頼に対応する他、地方創生に向けた中小企業の金融支援に同大の研究成果などを生かしていく。
同公庫の前身である中小企業金融公庫と同大は平成18年に産学官連携で協力する協定を結んだが、共同での技術開発などが中心で、他分野への広がりに欠けるものだったという。ことし6月に同大で開かれた県主催の創業支援セミナーをきっかけに、新たな協定締結に向けた協議を開始し、今回の締結に至った。
和歌山市栄谷の同大で締結式が開かれ、瀧学長と金子支店長が協定書にサインした。
瀧学長は「大学教育を通じた地域への貢献が求められている。さまざまな支援を通じて新しい芽が育ってくれたら」と期待を示し、金子支店長は「大学で起業について学ぶことで会社で問題に直面したとき、解決策を考えるヒントになるのでは。融資などを通じ地方創生に取り組んでいきたい」と意欲を見せた。