ドクターカー24時間運用へ 日赤と市調印
高齢化などの社会環境の変化を受け、医師が救急車に同乗するドクターカーを24時間運用の体制とするため、日赤和歌山医療センター(平岡真寛院長)と和歌山市は11日、常設型市救急ワークステーション設置合意調印式を市役所で行い、平岡院長と尾花正啓市長がサインを交わし、救命医療体制の充実を確認した。
同センター内に市消防局の救急隊員らが常駐する救急ワークステーションを13日に開所し、16日に運用を開始する。ドクターカーの24時間運用の取り組みは、全国に92カ所ある日本赤十字社の病院で初めて。
平成26年6月から運用されている和歌山市のドクターカーではこれまで、重症患者の救急要請があった場合、現場と、医師を迎えに行く2台の救急車が出動していた。救急ワークステーションの設置により、同センター常駐の救急車から出動するため、医師の到着が平均2~3分程度短縮され、救命率の向上が期待される。
調印式で尾花市長は「救急隊員と医師が顔を見ながら救急搬送活動ができる」と述べ、隊員の技術向上にも期待。平岡院長は「今まで以上に迅速かつ的確な対応が可能になる」と取り組みの意義を強調した。
市消防局によると、昨年の市内の救急出動は1万9417件(速報値)で、心筋梗塞や脳卒中、事故現場など重症外傷により3週間以上の入院が必要な重症者は5%程度の882人だった。同消防は、今後も年間600件以上のドクターカーの出動を想定している。