米政策の転換に備え 農水省が県で意見交換

平成30年から米づくりを取り巻く制度が大きく変わることを受け、農林水産省は18日、今後の米づくりについて話し合う「需要に応じた生産の推進キャラバン」を県庁東別館で開き、県や県農業協同組合中央会、同組合連合会の関係者らが意見交換した。

米の消費が低迷を続ける中、政府は同30年産から、現在行っている各都道府県に生産数量目標を割り当てる方式の廃止を決定。食用米から飼料用米や加工用米などへの転換などを通じて需要に合った生産を行うよう、各都道府県に求めている。

意見交換会は、冒頭を除き非公開で行われた。冒頭のあいさつで、農林水産省水田農業対策室の海老原康仁課長補佐(41)は「2年連続で過剰作付が解消され、米価も上向きつつある。平成30年からの新制度に円滑に移行できるよう、県内の米生産の状況などを報告してほしい」と呼び掛けた。

意見交換では、同省の関係者が制度の変更点などを説明し、政府の取り組みに理解を求めた他、県や農協の関係者らが政府の方針を受け、生産者の不安解消に向けて取り組んでいる対策について説明した。

政府は10㌃当たり7500円を支給している米の直接支払交付金を同30年産から廃止する一方で、水田で飼料用米や麦、大豆などを生産する場合に支給する産地交付金や戦略作物への助成制度、年間の収入が過去3年の平均収入を下回った場合に減収分の9割を補填(ほてん)するセーフティーネットとしてのナラシ対策は継続するとしており、全国ベースの需給見通しなどの情報を積極的に提供していくとしている。

米政策の改革に対して、県や県内の農業団体で構成する県農業再生協議会は、昨年9月に県内各地の地域農業再生協議会を対象としてアンケート調査を実施。これまでの市町村別生産数量目標が廃止されてからも、何か生産上の参考となる数字がほしいという声を受け、各市町村が県内の米生産において占めるシェアを基にした参考値の提示を決定した。

県果樹園芸課は、県内の米生産は主食用米の作付面積が同28年産で6720㌶と非常に少なく、畜産農家の数も全国的に見て少ないことから、飼料用米よりも野菜や果樹の生産拡大に力を入れていくとしている。

意見交換する出席者ら

意見交換する出席者ら