ジビエ料理を給食に 食育推進研修で試食

県内で捕獲、処理された野生鳥獣肉「わかやまジビエ」への理解促進や、学校給食での活用推進を目指し、県や県教育委員会主催の「学校における食育推進研修会」が2日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で開かれ、食育に関する講演の他、ジビエ料理の試食会が初めて行われた。

食育の推進と充実を図る学校教育関係者対象の研修で、県内の栄養教諭や学校栄養職員ら約80人が参加した。

研修会では、文部科学省健康教育・食育課の横嶋剛食育調査官が「学校における食育の推進について」のテーマで講演し、学習指導要領の改訂に伴う食育推進の動きについて紹介。多様な暮らしに対応した食育や健康寿命の延伸、食文化の継承などを重点課題とする「第3次食育推進基本計画」を解説し、学校給食における地場産物活用の目標値について、平成32年度に30%以上を掲げていることなどを話した。

食に関する指導の充実については、給食を活用した食育の取り組みにふれ、給食の時間には配膳や準備を通じて食事マナーを、献立から産地や栄養について指導することを提案。栄養教諭の授業への関わり方、食育教材の活用事例も紹介し「人や学習内容をつなげる計画的食育を推進していきたい」と述べた。

ジビエ料理試食会では、同ホテルの佐藤喜久一郎総料理長が考案した、シカ肉のハヤシライスやチンジャオロース、イノシシ肉とコンニャクの土手煮、ジビエソーセージのかき揚げなど8品のメニューが並んだ。

宮下和己県教育長は「和歌山の歴史という側面からもジビエを盛り上げ、県全体で利用する活動を進めていければ」とあいさつした。

参加者はそれぞれ興味のある料理から取り分け、ジビエの献立メニューを味わいながらアンケートに記入した。

参加した栄養士(24)は「どれもおいしかったが、調理の手順が複雑なものもあり、給食として実現するには難しい料理もあった」と話していた。

ジビエ料理を試食する参加者

ジビエ料理を試食する参加者