潮干狩り復活へ あさり姫プロジェクト

和歌山市の片男波干潟で、アサリ不足による潮干狩りの中止が続く中、外敵から守り、竹筒の中でアサリを育てる「あさり姫プロジェクト」が、ことしも始動。17日には、市立和歌浦小学校3年生の児童約50人が、和歌浦漁協の漁師や地元団体のメンバーに教わりながら「なよ竹部屋」と名付けられた竹筒を作り、干潟に設置した。

片男波干潟では、エイやツメタガイの食害などによるアサリの減少により、平成21年から潮干狩りが中止となっている。

昨年度に続き、国の補助金を活用して実施。子どもたちは、県環境学習アドバイザーで、任意団体「海辺の教室」代表、平井研さん(38)を講師に、干潟で
生き物の観察をするなど、環境について理解を深めてきた。

この日、児童たちは漁師ら約20人に教わりながら、ノコギリを使って竹を半分に割り、開閉できるようロープを通して固定。約60㌢の竹筒を完成させた。竹筒は、中にアサリの稚貝を入れ、外的から守りながら育てる構造になっており、門脇悠生君は「この中で、アサリが元気に大きく育ってほしい。和歌浦で潮干狩りをしたい」と笑顔だった。

平井さんは「順調にいけば、1年で2、3㌢の大きさに成長する。干潟が抱える課題や環境に興味を持ってもらうきっかけになれば。関わってくれる人の数も増え、今後も地域と一緒になって活動を続けていきたい」。漁協の横田邦雄代表幹事(36)は「子どもたちが大きくなったとき、潮干狩りをしながら、干潟やアサリについて勉強したことを思い出してもらえるようになるのが一番の目標」と話していた。

漁協によると、網を張るなどの外敵駆除対策によって、少しずつ生育回復の兆しがあるといい、児童を対象にした潮干狩りも計画中という。

アサリを入れる竹筒を作る児童たち

アサリを入れる竹筒を作る児童たち