和歌山で農業しよう UIターン就農相談

 県など主催の「UIターン就農相談フェア」が2月26日、和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開かれ、県内で自立就農や農業法人などへの就職を希望する人らが相談に訪れ、県内で就農した先輩の体験を聴くなどした。

 県内農業の維持、発展を目指して県が新規就農を推進している取り組みの一環で、県農業大学校(4月に県農林大学校に改編)がある御坊市と和歌山市で年に4回開いている。参加者は県内からが5割程度、大阪府内からが3割程度で、平成27年度は約60人が参加した。

 会場では、同大学校就農支援センターの職員らが相談に応じ、農業技術の研修制度や同大学校への進学などについて、来場者の疑問に答えた。県外からの就農の場合は移住となるため、わかやま定住サポートセンターの移住・定住相談員による相談コーナーも設け、来場者の希望や心配事などを聞き取りながら、田舎での生活や住まい、県や市町村の支援などを説明していた。

 先輩就農者によるセミナーでは、県内で新規就農して3年以内の2人が、技術を習得して就農するまでの経緯や、準備段階をはじめ実際の栽培に至るまでの苦労、農業のやりがいなどを語った。

 来場者からは、農地の確保や機材の借り入れ、利益率など具体的な質問が次々と出され、先輩からは「習うより慣れろだが、(事前に学んでおく)知識は多いほうが良い」「周りの人からいろいろ言われても、それでも農業をするという強い意志を持ってほしい」などとアドバイスがあった。

 同センターによると、県は年間200人の新規就農を目指しており、平成25~27年度の3年間はいずれも130人台の後半で推移。同センターの﨑純郎所長は「県の新規就農に対する取り組みの認知度は上がっている。今後は、実際に就農した人の体験やノウハウを伝え、農地見学などの機会をさらにつくっていきたい」と話していた。

先輩就農者の体験を聞く来場者

先輩就農者の体験を聞く来場者