クラウドファンディング活用支援 県が認定
クラウドファンディングを活用して創業や新事業展開を目指す県内事業者に対する県の支援策が成果を上げ始めている。本年度から取り組んでいるもので、県は県内金融機関などと連携してサポート体制を構築し、実現に向けた支援を行う他、事業計画を県支援プロジェクトとして認定、PRし、その後の事業展開も支援する。さらなる活用に期待が高まっている。
クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集め、集まった資金でプロジェクトを実行する取り組み。配当を受け取れる「投資型」と出資時に希望の商品を購入する「購入型」があり、市場規模は急速に拡大している。
県商工振興課によると、県もクラウドファンディングに取り組む県内事業者を支援しようと、昨年7月と9月に活用セミナーを開催。参加者は予想を大きく上回り、大きな反響があったという。
クラウドファンディングの活用後、思うように資金が集まらない場合や、集まった資金をさらに増やしたいケースを想定し、県中小企業融資制度の「成長サポート資金」に新規分野の開拓に乗り出す第二創業への支援を創設。融資利率を年1・20%以内に抑えた支援制度を用意している。
すでに県支援プロジェクトの認定を受けたのは3事業者。いずれもクラウドファンディングの募集を開始してから順調に資金が集まっており、和歌山市で飲食店などを展開する㈱吉田による県産かんきつ類などを使用した地ビール開発は、募集開始から数日で目標金額の526万円に達したという。
同課は「資金が想像以上に早く集まり、驚いている。認定を通じて、成功事例を広く知ってもらえたら」と話し、支援の活用を呼び掛けている。
認定を受けた事業者とプロジェクト名は次の通り。
㈱吉田(和歌山市)=自社醸造所で和歌山市初の地ビール提供販売拡大に挑戦▽コパン・ドゥ・フロマージュ(紀の川市)=世界初!イタリアと日本の「発酵文化」が融合した、夢のチーズ開発▽㈱紀州高下水産(和歌山市)=和歌山紀州高下水産 海の幸絶品ファンド