災害対策の課題確認 県と市町村が防災会議
県と県内市町村の防災担当職員が県内の災害対策に関する課題などを話し合う平成29年度「市町村防災・危機管理主管課長会議」が21日、和歌山市の県庁南別館で開かれ、各自治体の職員約70人が出席し、防災の取り組みや連携の在り方などを確認した。
防災における県と市町村の連携強化が目的。会議は、県危機管理消防課の職員らが災害対策強化に向けた県の取り組みや県内の防災に関する課題を説明し、市町村の職員らに対して協力を要請する形で行われた。
同課職員は、南海トラフ巨大地震の想定被害額と東日本大震災の被害額を比較して提示。東日本大震災の被害額が約17兆円なのに対し、南海トラフ巨大地震の被害額は最大約220兆円と予想されると説明し、「広範囲の被災が想定され、国から十分な財政的支援を受けられない可能性がある。復興に向けて現実的な計画を事前に準備しておく必要がある」と対策の必要性を強調した。
防災、減災に向けた県の取り組みでは、要配慮者支援対策として、火災防止に有効とされる「感震ブレーカー」の設置促進を新たに進めると説明し、災害時の円滑な避難所運営に向けた「避難所運営リーダー養成講座」や、防災に関する知識や技術を学ぶ講座「紀の国防災人づくり塾」などの実施に対して協力を呼び掛けた。
災害対策に関する県内の課題として、住宅の耐震化や家具の転倒防止対策が遅れていることを指摘。どちらも調査で全国平均を下回っている状況であることから、同課は「必要性と補助制度が周知されていない」として、戸別訪問の実施や、学校を通じたDVDの配布などにより、啓発を進めていきたいと話した。