「共謀罪」成立に反対声明 和歌山弁護士会

 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を改め、「テロ等準備罪」の新設を目指している政府の組織犯罪処罰法改正案に対し、和歌山弁護士会(畑純一会長)は29日、成立に反対する会長声明を、政府や各政党などに送付した。

 同法案は23日の衆議院本会議で与党などの賛成多数で可決され、参議院に送られている。

 声明では、衆議院での審議により浮き彫りになった同法案の問題点として、共謀罪の処罰対象が国民一般に適用される恐れがあり、「計画」「準備行為」の定義、内容が不明確であるため、何が処罰されるのか曖昧であること、277の対象犯罪の中には組織犯罪やテロ犯罪とは無関係の犯罪が含まれていること、捜査のため日常的に市民の監視が行われ、国民のプライバシーが侵害される社会となる恐れがあることなどを指摘。

 同法案を「国民の基本的人権に対する重大な脅威となりうるもの」とし、成立に反対している。