東京五輪で金を スケートボード四十住さん
2020年東京五輪の追加競技に決まり、注目を集めるスケートボード。岩出市の四十住(よそずみ)さくらさん(15、伊都中央高校)は、同五輪の強化指定候補選手に選ばれた。「夢は東京オリンピックで金メダル」。今後の活躍にますます期待が膨らむ。
兄の影響を受け、小学6年生の頃にスケートボードを始めた。めきめきと上達し、今では日本トップクラスの女性プレーヤーに名を連ねる。昨年10月に、全日本レディースクラスで優勝、ことし1月にはアメリカで開かれたアマチュア15歳以上のセクションで3位、4月には日本スケートボード選手権大会女子ストリート部門で準優勝を飾り、東京五輪の強化指定候補選手に選ばれた。
輝かしい成績を残す四十住さんだが、決して環境に恵まれているわけではない。自宅に練習場はあるものの、周辺に練習できる施設がないため、自宅練習を終えた夕方からは両親の運転する車で大阪や兵庫、三重のパークへと足を運ぶ。そこで午後11時ごろまで練習に打ち込み、日付が変わる頃に帰宅。遅いときは深夜2時を回ることもある。他のトップレベルの選手にはホームとなる施設があり、「時間を無駄にしたくない」と練習に熱が入る。車で移動する間も動画サイトを見ながら技を研究し、イメージを膨らませる。
四十住さんが所属する三重県のファイブクロススケートボードパークの宮前尚正オーナーは、「持って生まれたセンスがある。始めて3年ほどだが、女性でこのレベルはすごい」と実力を高く評価する。また、センス以上に努力家であることも強調。「うまくなりたいという気持ちが強く、常に前向き。大きなけがさえなければ東京五輪は確実だと思います」と太鼓判を押す。
同競技は、難易度の高い大技になると、一歩間違えれば大けがにつながる。四十住さんも以前、頭を強く打ち、意識をなくしたことがある。普通ならそこで恐怖心を抱くが、それ以上に「うまくなりたい」「時間を無駄にしたくない」という思いが勝るという。
「他の選手より始めるのが遅かったので、人一倍努力しないといけない。東京オリンピックまでにできることは全部やっておきたい」と四十住さん。どんな苦労も乗り越え、夢のメダル獲得へ意志を貫く。