どうする「核のごみ」 適地判断近く公表

高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設に向け、経済産業省は今月中にも全国で建設にふさわしいと判断した地域を公表する予定となっている。候補地を4段階に色分けした全国地図「科学的特性マップ」を示す。

同廃棄物は、原子力発電所の運転に伴って発生する使用済み燃料を再処理する際に出る廃液を高温のガラスと溶かし合わせて固体化したもの。放射能レベルの低下に長い時間がかかることから、法律で地下300㍍よりも深い地層に処分することが定められている。

政府は科学的知見に基づいて適地を選定し、選定後は現地で説明会を開き、建設に対する理解を求めていきたいとしている。18日には同省の世耕弘成大臣が記者会見で「マップの作成が終わり次第、今月中にもお示ししたい。これを第一歩に、全国で対話活動を積み重ねていきたい」と述べた。

同省はすでに、自治体関係者を対象とした説明会を全国各地で開いており、県産業技術政策課によると、県内では6月13日に和歌山市内で説明会が開かれたという。

同廃棄物の地層処分には安全性や環境への影響を懸念する観点から批判も強い。21日には県平和フォーラム主催の学習交流会「どうする!原発のゴミ」が同市北出島のプラザホープで開かれ、核のごみキャンペーン関西の末田一秀さんが講演し、ガラスのひび割れや地下水による鉄製容器の腐食などによる放射能の漏出や輸送中の事故の可能性を指摘し、処分場の建設を推進する政府の姿勢を批判した。

「原発のごみ」についての学習交流会

「原発のごみ」についての学習交流会