尾花市長がイクボス宣言 県内自治体で初
和歌山市の尾花正啓市長は17日、部下の仕事と生活の両立を支援する「イクボス宣言」を行った。自治体トップによるイクボス宣言は県内初。「子育て環境日本一」を目指す市が率先して働き方を見直すことで、全市でワークライフバランスの機運を盛り上げていく。
この日、和歌山商工会議所で開かれた「イクボス」養成講座には、尾花市長と市職員の管理職ら約200人が出席。NPO法人「ファザーリング・ジャパン」理事の川島高之さんが講師を務めた。
イクボスの存在が求められている理由として、川島さんは「子育てや介護などで、働く場所や時間に制限のある制約社員が増えつつある」現状を説明。経営者や上司の古い価値観が社員の意欲をそぎ、組織力の低下を招いていると指摘し、「上司が部下の私生活を知り、業務の効率化や長時間労働の是正で安心感ややる気を与えることが大切。部下の満足度が高まれば、組織全体の生産性も上がる」と話した。
講座終了後、尾花市長は「結婚や子育て、介護、地域活動などそれぞれのライフステージで、安心していきいきと働き続けられる職場環境づくりに取り組む」と宣言。「たやすいことではないが、これからの時代に大切なこと。家庭の事情を含めた本人の希望を聞き、適正な人事配置ができるシステムを考えたい」と意欲を見せた。