県は全国下位に 政務活動費の公開ランク

全国各地で行政運営のチェックに取り組む市民オンブズマンが集い、行政の在り方について議論する「全国市民オンブズマン和歌山大会」が2、3の両日、和歌山県和歌山市小松原通の県民文化会館で開かれ、約200人が参加した。自治体議会の政務活動費について情報公開度のランキングが初めて公表され、県と和歌山市は下位にとどまり、県議会は42位、市議会は中核市の中でワースト2位となる47位だった。

全国市民オンブズマン連絡会議が主催し、年に1回持ち回りで開催。県内での開催は初で、今回は「『忖度(そんたく)』の闇に光を!!  権力のえこひいきをただす」がテーマとなった。

同連絡会議は兵庫県や富山市など、各地の自治体議会で政務活動費の不正使用が発覚したことを受け、都道府県と政令指定都市、中核市の各議会に対して、6月1日時点の政務活動費を巡る状況を質問。「住民がどれだけ政務活動費の情報にアクセスしやすいか」を重視し、領収書や会計帳簿、活動報告書などの公開状況について、ランキングを作成した。

県議会は視察報告書作成の義務付けが10点中3点、支出基準に関するマニュアルの作成が5点中5点だったが、領収書や会計帳簿のネット公開など多くの項目が0点となり、100点満点中15点で47
都道府県議会のうち42位となった。1位は兵庫県で97点、最下位は埼玉県で11点
だった。

和歌山市議会は48中核市議会の中で47位となり、県議会と同様厳しい結果となった。領収書の原本提出や個人名の公開が5点中2点、支出基準に関するマニュアルの作成が5点中5点となった以外は全て0点に終わり、合計点は9点にとどまった。1位は函館市で100点、最下位は越谷市(埼玉県)で7点だった。

同連絡会議は50点以下の自治体議会について「領収書のネット公開を全くしなくても50点は取れる。多くの自治体議会が基本的な情報の作成すら義務付けていない」と批判している。

大会は、2日に全体会、3日に分科会を開催。現地実行委員会の阪本康文委員長は大会テーマにふれ「役人がトップの意向を忖度することで行政がゆがめられる。公文書の保存について厳しく追及しなければいけない」とあいさつ。同連絡会議の土橋実代表幹事は政務活動費の前払い制度について「犯罪行為を誘発するような制度になっている。やめるべきだ」と訴え、新海聡事務局長は情報公開請求に対して「文書不存在」という回答が多いことについて「情報の隠蔽(いんぺい)手段として文書不存在の回答が横行している」と批判した。

大会は最後に、自治体議会に対して政務活動費の領収書の原本を提出し、全ての活動関係文書のネット公開を求める内容の大会宣言を採択し、閉幕した。

行政の在り方をただす報告が行われた

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