観光産業の確立で雇用を 「和歌山ファースト」の思いで

 間もなく衆議院が解散され総選挙が行われる運びとなりました。前回から約3年が経過しようとしているこの時期の総選挙。しっかりと市民の皆さんに政策を訴え戦ってまいりたいと思います。
 この間、和歌山はさまざまな変化を体験してきました。特に一昨年の国体開催に伴って懸案であった道路網が劇的に改善されました。和歌山市に関連しては京奈和自動車道、第二阪和国道の開通と高規格自動車道が一気に整い、生活や事業の基盤が大幅に進化を遂げました。また市内の都市計画道路も順次整備され特に西脇山口線(旧粉河加太線)、松島本渡線(鳴神から三田間)、市駅小倉線(黒田から和歌山インターチェンジ間)、南港山東線(水軒口から竈山神社間)などが次々と拡張整備されております。特に南港山東線は阪和道の「和歌山南インターチェンジ」が平成30年度に供用されることが予定されており、それに結節する道路となります。
 このように近年にない道路網の発展は間違いなく地域の発展に寄与します。人口の減少や高齢化を真正面で受け止めてその環境を反転攻勢するためには有効な環境が整いつつあるのが現在の和歌山です。「コンクリートから人へ」のキャッチフレーズで誕生した政権は「公共工事悪玉論」を展開しこれらの整備を認めませんでした。私は改めて思います。和歌山が地理的なハンディキャップを克服していくにはやはり道路の整備は必要不可欠です。これから始まる選挙戦でこの点についてしっかりと訴えてまいります。
 「和歌山にとって何が一番大切か?」まさに「和歌山ファースト」の思いです。その中で観光産業の確立についてもしっかり訴えてまいります。私は23年間、観光の現場で仕事をしてまいりました。観光を語る政治家はたくさんいます。むしろ観光を語らない政治家はいないといっていいほどの昨今です。しかしその中で仕事として観光を体験してきた人はごくわずかです。私は幸い経営者としてもこの観光産業に携わってまいりました。従ってその勘所が分かります。地域の発展のために観光産業、観光資源をどう活用すればよいのか経験に基づいて判断できます。「和歌山には働く所が少ない。子供や孫が働ける就職先を」という声をよく伺います。企業や工場の誘致も大切ですが和歌山は観光産業の確立に大きくかじを切って雇用を創出していくべきだと確信しています。
 その理由としてまず直近に関西国際空港が存在するということです。一年間に3000万人にも迫る外国人が日本を訪れる時代が到来し今後4000万人、6000万人と増加していくことが予測されています。二つ目は和歌山には自然、歴史、山海の幸が豊かに存在しています。風光明媚(めいび)な景勝地に至っては世界レベルのものが多く存在します(残念ながら気が付いていらっしゃらない方も多いのですが)。三つ目は観光産業の雇用の多様性です。老若男女、幅広い雇用が可能です。サービス業では機械化は困難です。人が人にサービスをすることが商品の本質です。私も観光の現場で仕事をしてきましたが若い方はもちろん70歳を超える方々とも随分一緒に仕事をしてきました。また男性よりも女性の比率が高いのも観光の現場です。ホテルのフロントやレストランを想像してみてください。また学歴という点から見ても観光産業は受け皿が大きく大学卒しか働けないということはありません。さまざまな学歴、専門性を持った方々が活躍できる職場が用意されています。以上の点から和歌山は観光産業を基幹産業にする必然性を強く感じます。国ではIR(統合型リゾート)の整備を検討しています。先進地のマカオではIRからの税収で医療費無料などの恩恵が地域にもたらされているということです。雇用も桁外れで街全体では20万、30万という人が関連産業も含め従事されているということです。このような点でも観光産業、IRへの期待は高まるばかりです。これからの選挙戦においても「和歌山にとって何が一番大切か?」の信念で故郷への思いを訴えてまいります。皆さんの共感と共鳴をお願いします。