メキシコ地震の救助活動 消防隊員が報告
先のメキシコ中部の地震で、甚大な被害を受けた被災地で救出活動を行った中消防署高度救助隊の梶本敦司消防司令補(32)が、5日間の活動を終えて帰国。9月29日、和歌山市長室で活動の報告を行い、懸命な救出活動の功績に対し、尾花正啓市長から表彰状が贈られた。
和歌山県内の消防署員が国際消防救助隊員として活動したのは今回が初めて。
メキシコ中部地震が発生したのは日本時間の先月20日、午前3時14分ごろ。総務省の国際消防救助隊編成計画による、東京、仙台、京都など、和歌山を含む全国11地区への職員派遣要請に応じ、隊員ら約60人は翌21日、午前9時半に成田空港に集合した。22日午前5時過ぎにメキシコ入り。6階建ての共同住宅の倒壊に巻き込まれて亡くなった19歳女性を削岩機などを使って救出し、さらに倒壊した6階建ての建物の3階にいた飼い犬を生還させた。
活動報告で梶本隊員は「資機材は全て日本から持ち込み、ファイバースコープ状の画像探索機など、高度な技術を駆使した救出が現地で大変歓迎された。今回の貴重な経験を、(今後発生が予想される)南海トラフ地震にしっかりと生かしていきたい」と話した。
尾花市長は「深刻な被災状況で言葉も通じない環境の中、よくやってくれた。現地の人といかに連携を図ったかなど経験を周囲に伝え、これからも和歌山市のために尽力してほしい」と労をねぎらった。