秋風の吹上に白菊 きのくに青雲で爽やかに
和歌山県立きのくに青雲高校(和歌山市吹上)で、県立和歌山工業高校(同市西浜)から移植された白菊が満開になっている。
大昔、吹上から西浜の一帯は砂浜で、海の白い波と白菊の花の風景が美しく、菅原道真も「秋風の吹上に立てる白菊は花かあらぬか浪の寄するか」と和歌に詠んだとされる。和歌山工業高校は昭和39年の東西校舎合併まで、東校舎が現在のきのくに青雲高校に位置しており、また和歌山工業高校の校歌には「吹上の白菊かおる」と和歌の言葉が引用されている。
白菊は元和歌山工業高校教頭の吉本俊夫さんと、きのくに青雲高校の村崎隆志教頭が吹上の白菊を復活させようと、ことし7月に和歌山工業高校で育てている白菊を5株移植したもので、明治時代に吹上に創設された徳義中学校の顕彰碑の後ろに植えられた。
白菊は学校の一角で咲いており、緑の葉とコンクリートの上に白い花びらが映えている。
同校生徒会長の3年生和田雅也君は「校内に自分たちが育てた四季折々の花が咲くのはいいなと思う。これからも続けて発展してほしい」と開花を喜んだ。