LNG発電所の建設要望 尾花市長が関電に

 和歌山県和歌山市湊の埋め立て地で中断されている関西電力㈱の液化天然ガス(LNG)火力発電所の建設計画について、尾花正啓市長は16日、大阪市の関電本店を訪れ、早期建設を要望した。関電の北村仁一郎火力事業本部副本部長は「和歌山は重要な電源地点と認識している」と話した上で、計画の今後については「電力の需給や競争の環境を見極め、長期的な観点から検討したい」と答えるにとどまった。

 市産業政策課によると、計画を巡り和歌山市長が関電に直接要望するのは初めてという。古川祐典市議会議長や計画地周辺の5連合自治会の代表らも出席した。5自治会は今月6日、市に対し計画推進を関電や国に対し働き掛けるよう陳情していた。

 市側は関電に対し、LNGが環境への影響が少ないクリーンなエネルギーであることや地元の自治会から陳情が出されていることなどを強調。尾花市長が北村副本部長に要望書を手渡した。

 計画地は新日鐵住金和歌山製鉄所の沖合にある埋め立て地。政府の電源開発調整審議会で平成9年に承認された。16年に地盤改良工事の一部が終わって以降、電力の需要低迷から動きが止まった状態になっている。

 同課は「まとまった土地が確保でき、民家から離れている点は関電に理解してもらえていると思う」とし、「早期建設は難しいが、長い目で引き続き要望活動に取り組んでいきたい」と話している。

要望書を手にする北村副本部長㊨と尾花市長㊥、古川議長

要望書を手にする北村副本部長㊨と尾花市長㊥、古川議長