大学と地域で地方創生を 紀の国大学シンポ
和歌山大学が県内と大阪の大学と共に地方創生を考える「紀の国大学」の取り組みを報告するシンポジウムが28日、和歌山県和歌山市北出島の県勤労福祉会館プラザホープで開かれた。
文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」(COC+)に採択され、平成27年度から県内の高等教育機関と大阪府内の大学が協力し「紀の国大学」として雇用創出、地域への定着を図るキャリア教育プログラムを展開している。
パネルディスカッションは「地方創生に向けた大学と地域の役割」というテーマで話し合われた。紀の国大学に参加している和歌山大の石塚亙副学長と、基調講演を行った高知大の受田浩之副学長、千葉大コミュニティ・イノベーションオフィス地域イノベーション部門の鈴木雅之部門長、信愛女子短期大、和歌山工業高等専門学校、大阪市立大、大阪府立大、摂南大の教員が登壇し、大学と地方の関わり方について語った。
大学と地域をつなぐコーディネーターの重要性について、和歌山大ではコーディネーターが地域の課題を教育に発展させ、うまく展開できているが、まだ課題も多いと発表。コーディネーターを設置していない信愛女子短大は、紀南地方にもっと関わっていくにはコーディネーターが必要だと述べた。
今後の紀の国大学について、和歌山大COC+推進室の金子泰純室長は「具体的課題を持ち寄り、学生が解決するのがプログラムの柱。試行錯誤し、共有して、紀の国大学をより大学らしい装いにできたら。事業をさらに発展的に考えたい」と話した。