伊都・橋本に裁判所支部を 弁護士ら訴え
伊都・橋本地域への裁判所支部設置を目指す弁護士らが22日、和歌山県和歌山市四番丁の和歌山弁護士会館で記者会見し、昨年秋に地元4自治体の議会で設置を国に求める意見書が採択されたことを紹介し、地域住民への啓発活動や日本弁護士連合会(日弁連)を通じた最高裁への働き掛けに取り組む考えを明らかにした。
伊都橋本地域は約9万人の人口を抱えながら、裁判所は妙寺(かつらぎ町)に和歌山家庭裁判所の出張所と簡易裁判所、橋本市に簡裁があるのみとなっている。妙寺出張所は離婚訴訟を受け付けていない上、調停期日が月1回しか開かれていないため、当事者や弁護士の都合によって調停期日が大きく遅れることがあるという。
会見には、和歌山弁護士会の畑純一会長や橋本市で法律事務所を営む堀江佳史弁護士らが出席。昨年9月にかつらぎ・高野・九度山の3町議会、12月に橋本市議会で意見書が採択されたことを紹介し、地家裁支部の設置を目指しつつ、当面の目標として妙寺出張所の調停期日を増やすよう求めていくとした。設置に対する地域の機運を高めるため、チラシの配布などによる啓発活動に取り組むことも明らかにした。
堀江弁護士は「調停や裁判で和歌山市に行かなければいけないことを説明すると、ちゅうちょされる依頼者の方がたくさんいる」と説明。畑会長は妙寺出張所について「月1回では予定を入れるのが難しく、半年たっても事案がほとんど前に進まないこともある。身近な地域で裁判ができる環境づくりに向け、最高裁は財務省に強く働き掛けるべきだ」と訴えた。