県営3団地建て替え 6割が耐用年数半分超
和歌山県は建設期が昭和50年(1975)以前の県営住宅で、3団地130戸の建て替えを検討している。5日の県議会一般質問で自民党県議団の新島雄議員の質問に答えた。
新島議員は、岩出市の県営住宅で2月に発生した火災を踏まえ、県営住宅の安全点検や老朽化の程度などを質問した。
県によると、県営住宅は69団地あり、全5254戸に住宅火災警報器を設置。消防法に基づき、県営住宅の消火器具や避難はしごなど機器点検を6カ月に1回、自動火災報知設備の作動確認の総合点検を年に1回実施。入居者には入居時に渡すしおりで避難経路や避難方法を知らせているという。また先日の同市での火災を受け、全戸に防災対策を記載したチラシを配布し、注意を促した。
69団地のうち、想定される使用期間(耐用年数)の半分を経過した建物は約6割。建設期が昭和50年以前の住宅は23団地あり、立地や居住性を考慮し、そのうち紀中1、紀南2の計3団地で建て替えを検討。自治体との協議を開始した。
建設年度の古いものは順次建て替えを検討しており、外部改修などの改善事業で建物の長寿命化を図る。現存する最も古い海南市の木造団地は、住居者が退室した後に廃止する。森戸義貴県土整備部長は「適切に維持、管理、更新することが重要。高齢者から若い世代まで安全で安心に暮らせる質を確保した住宅整備に努めたい」と述べた。