炎が包む一面のススキ 生石高原で山焼き

関西一のススキの名所、和歌山県紀美野町と有田川町にまたがる生石高原で11日、「山焼き」が行われ、一面のススキの草原が炎と煙に包まれた。

標高870㍍の山頂付近に広がるススキを焼くことで芽出しを促し、純粋な草原を再生、保全することを目的に2002年度から実施。両町と生石高原観光協会が主催し、多くの観光客が訪れる春の風物詩として親しまれている。

ことしも山頂付近の笠石東部で点火式を行い、しみず温泉阿?河(あてがわ)太鼓の演奏の後、仁坂吉伸知事、紀美野町の寺本光嘉町長らが火を入れた。続いて、両町の職員や消防団員らスタッフが風下から順次火を放つと、約9万3000平方㍍の草原のあちこちからパチパチと音が聞こえ、炎と煙が広がった。

快晴の青空と高原としては暖かな陽気に恵まれ、カメラやスマートフォンを手にした観光客が詰め掛け、目の前に広がる炎の舞に見入り、撮影していた。

寺本町長は「焼くことが良い肥料となって穂先の長いススキが育ちます。訪れる観光客も増えており、秋にまたススキの原を歩いてもらえるのが楽しみですね」と話していた。

炎と煙が立ち上るススキの草原

炎と煙が立ち上るススキの草原