位牌文字彫刻の福形さん 県名匠表彰記念展
2018年度県名匠表彰を受けた位牌文字彫刻師・福形崇男さん(69)の作品などを紹介する記念展が19日まで、和歌山県和歌山市の県民文化会館特設展示室で開かれている。
福形さんは24歳の時から、父のもとで位牌製作の修業を積み、現在は高野町高野山の㈲福形大日堂の2代目として手作業で位牌の文字彫刻をしている。昨年11月、ものづくりの分野で顕著な業績を残したとして、県名匠表彰を受賞した。
会場では、福形さんが文字彫刻を手掛けた位牌や製作工程のパネル、実際に使用している彫刻刀など約80点を展示。位牌は表に戒名と没年月日を入れる場合や夫婦の戒名を入れる場合など数種類があり、手彫りと機械彫りの違いが分かるように並べられている。パネルでは、札の表面に文字の配置を決める線を入れ、朱墨で文字を書き込み、彫刻刀で一画ずつ彫り込みを入れていく製作工程などを紹介している。
入場無料。午前9時半~午後5時(最終日は3時)。18日午後1時からは、福形さんによる彫刻の実演が行われる。
県文化学術課は「高野位牌唯一の手作業による文字彫刻職人の技術を、ぜひ見てもらいたい」と話している。