紀伊國屋文左衛門の講談熱演 坐・噺の会
落語・講談のグループ「坐・噺の会」(助野利治代表)は25日、和歌山県海南市黒江の古民家カフェ「黒江ぬりもの館」で定席「ひるさがり亭・3月席」を開き、紀伊國屋文左衛門を描いたオリジナル講談「宝の入船」などを披露した。
演じたのは、ひさご亭江香こと助野貴美子さん。元禄5年、江戸の祭りに届けるミカンを間に合わせるため、命懸けで荒海へと繰り出した文左衛門の心意気と活躍を生き生きと描き出し、来場者は熱演に聴き入った。
助野代表によると同会は地域の偉人の逸話を基に講談を創作し、明恵上人や雑賀孫市、前畑秀子など8本のレパートリーがあるという。
この日は他に落語が2席演じられ、カフェの2階に設けられた寄席には和やかな笑い声が響いた。
常連客という近隣の80代の女性は「文左衛門はしっかりした脚本が力演されてとても良かったです。集中して聴き、笑うことは、認知症予防にも役立っているように感じます」と笑顔だった。