シェアサイクル始まる 県都の回遊が便利に
和歌山市は専用駐輪場(サイクルポート)から、いつでもどこでも自転車を借りたり返したりできる「シェアサイクル」を28日に開始した。27日には同市と世界最大級のシェアサイクル事業を展開するofo(オフォ、本社=中国・北京)の日本法人㈱OFO JAPANと都市再生推進法人ユタカ交通㈱が連携協定を結んだ。世界21カ国でシェアサイクルを展開する同社は日本での事業は初めてで、自治体との連携やユーザーの需要把握など、国内展開に向け取り組み、市は路線バスと組み合わせた利便性の向上を図る。
市は、自転車を活用して中心市街地の回遊性向上、観光振興を図る「スマートサイクルシティわかやま」を推進しており、同社のシェアサイクルの高い利便性、GPS機能による放置自転車対策、民間主体の事業であることなどから、連携を決定。同社も観光客が増加する市の背景や都市再生法人の協力を得て和歌山での事業展開を決めた。
同社のシェアサイクルは、スマートフォンアプリからGPSでポートを検索、QRコードをスキャンして自転車を解錠し、クレジットカードを登録すれば利用後の支払いができる。料金は30分100円で、一日パス500円、月額利用で2500円。現在、市内には和歌山城や紀三井寺駅など23のポートがあり、約120台の黄色い自転車が設置されている。
移動中はポート以外の場所で一時駐輪もできる。違法駐輪や故障したときにはアプリから報告し、回収、修理が行われる。回収や修理はユタカ交通が主に行う。自転車に乗るとクレジットポイントが加算され、違法駐輪をすると減点。ポイントが0になると利用不可となる。
協定の締結式には尾花正啓市長、ofo日本市場を統括している日吉良昭代表、ユタカ交通の豊田英三社長が協定書にサインした。
3人は桜の咲く和歌山城を背景に自転車に試乗。日吉代表は「市民の皆さんに使ってもらい、サイクリングツーリズムを体験してもらえたら。移動の利便性向上に取り組みたい」、尾花市長は「良い季節にスタートできた。自転車も乗りやすい。公共交通とも連携して便利になったので気軽に乗ってもらいたい」と話した。
ofoは28、29日に和歌山城西の丸広場で一般試乗会を開催。市内でアプリを開くと、入力後2週間以内は5回目までの初回30分間利用が無料になるクーポンがもらえる。アプリのダウンロードは「App Store」か「Google Play」から。