大飯物祭の魅力 貴志川高生手作り紙芝居
県立貴志川高校(和歌山県紀の川市貴志川町長原、揚村典生校長)図書部の生徒たちが地元の大國主神社に伝わる全国的に珍しい神事「大飯盛物祭(おいもりものまつり)」をテーマに制作した紙芝居の読み聞かせ会がこのほど、紀の川市貴志川町神戸の市立河南図書館で開かれ、部員3人が読み聞かせを通じて祭りの魅力をPRした。
大飯盛物祭は、竹で高さ約5㍍、直径約3㍍の気球のような形状を編み上げ、餅約6000個を取り付けて大きな握り飯に見立てた「盛物」が登場し、台車にのせて中貴志コミュニティセンターから同神社まで約1・7㌔を練り歩く。同部の部員たちは祭りの保存に取り組んでいる地域住民から依頼を受け、2016年の1月から5月にかけて祭りの準備や当日の様子を取材して制作し、子どもたちの地域学習に役立ててもらおうと、ことし2月末に作品を同図書館へ寄贈した。
この日は、同部の根来唯花部長(3年)と齋藤彩華副部長(2年)、中谷泉水副部長(2年)の3人が来館。寄贈した紙芝居より大きい縦約50㌢、横約80㌢の作品を新たに制作し、親子連れや高齢者など約20人を前に紙芝居を披露した。
紙芝居は、祖父が孫に祭りの魅力を語り、当日の様子を見学した孫が祭りへの関心を高めていく内容で、「このお祭りが次の世代に受け継がれることを願っています」と話し、締めくくった。
根来部長は「大きい紙芝居をめくるのが大変で余裕がなく、少し早口になってしまった部分もあったのが残念です」と反省を口にする一方で、「みなさんが楽しそうに聴いてくれてうれしかった」と話した。
訪れた同市貴志川町の道本雅宏さん(71)は「地元の祭りの魅力を簡潔にまとめてくれており、聴いていて感慨が湧きました」と話していた。