温もりある石と木 松崎、多田さん2人展

ちょこんとたたずむ石彫や、温かみのある木工作品。手によって生み出された作品の展覧会「石と木と」が7日まで、和歌山県和歌山市十二番丁のMsギャラリー12番丁で開かれている。

出品者は京都市の石彫作家・松崎勝美さん(58)、大阪府貝塚市の木工作家・多田理さん(70)。2度目の2人展で「暮らしの中に一緒にいるような作品たち。温もりや和みを感じてもらえれば」と呼び掛けている。

国内外で個展を開く松崎さんの作品は「想守(おまもり)」と名付けたシリーズが中心。兵庫県高砂市で採掘される竜山石(たつやまいし)を使って彫り、やわらかで穏やかな表情が魅力。両手を前で合わせ、地蔵や童子のようでもあり「見る人次第。相談相手のようなものでありたいですね」と松崎さん。丸みのある姿が愛らしく「名前をつけてください」「ねっ」「一緒」など、作品名もほのぼの。藍で染めた石の作品の他、版画も並んでいる。

多田さんの作品は、木目の表情を生かした木箱や平皿など。螺鈿(らでん)を施した小箱や、樹齢100年以上とされる米国の木材を使った細やかな木目の小物入れ、小型の厨子(ずし)も並ぶ。多田さんは「生活空間にあって、ちょっと手を置いて心が休まったり、いとおしいと感じたりしてもらえればうれしいです」と笑顔で話している。

午前11時から午後7時(最終日は5時)まで。3日は休廊。問い合わせは同ギャラリー(℡073・431・8255)。

心和む作品が並ぶ会場で、松崎さん㊧と多田さん

心和む作品が並ぶ会場で、松崎さん㊧と多田さん