絵手紙で更生 島本さんに法務大臣感謝状

 犯罪や非行の防止とともに犯罪のない地域社会を目指す法務省の「第68回社会を明るくする運動」の民間の協力功労者に、日本絵手紙協会公認講師で和歌山県岩出市の島本佳代子さんが選ばれた。27日に和歌山刑務所(和歌山市加納)で法務大臣感謝状の伝達式があり、鈴木礼子所長から島本さんに感謝状が贈られた。

 絵と文字で世界を表現する絵手紙。島本さんが絵手紙と出合ったのは20年以上前で、2007年2月から受刑者の余暇活動の一環として、同所の絵手紙指導講師として月に1度指導してきた。受刑者に好評で真剣に制作に取り組み、質問をする受刑者もいるなど絵手紙を通して更生の一翼を担ってきた。時には受刑者やその家族を思い、「何でそんなことしたのよ」と帰りの車中で泣いたこともあったという。

 伝達式で鈴木所長は「島本さんの活動は改善更生や社会復帰、再発防止に大変役に立っている。私たち職員にとっても大変励みになります」と感謝。

 島本さんは「光栄なこと。少しでも更生のお手伝いができればと思い活動してきた。受刑者の心に少しは光を差し込むことができたと思う」と笑顔で話した。

 同所では絵手紙の他に、書道やコーラス、華道などのクラブ活動を通して更生を目指し、また再犯防止の活動を行っている。

鈴木所長㊧から感謝状を受け取った島本さん

鈴木所長㊧から感謝状を受け取った島本さん