100回記念の夏開幕 智弁、桐蔭堂々行進
全国高校野球選手権記念大会が5日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した。和歌山県代表で2年連続23回目の出場の智弁和歌山は堂々と行進。第100回を記念し、1915年の第1回大会から欠かさず出場している全国15校の主将も行進の列に加わり、桐蔭から坂本雄冴主将(3年)が参加した。智弁は大会3日目の7日、第2試合で近江(滋賀)と対戦する。
開会式では、桐蔭や鳥取西など100回出場の15校の主将が入場した後、本大会出場56校が南の興南(沖縄)から順番に行進。智弁和歌山は20番目に登場し、文元洸成主将(3年)を先頭に「イチ、ニー」と声を掛けながら歩いた。
大会会長の渡辺雅隆朝日新聞社社長は、太平洋戦争により大会が中断した歴史にふれ「平和な中で野球ができる喜びを引き継いでいかなければならない」とあいさつ。来賓として出席された皇太子さまは「記念すべき節目の大会の開会式に出席できたことをうれしく思います」と述べられ、1968年の第50回大会の決勝・興国―静岡商業にふれ「1―0の白熱した投手戦をよく覚えている」と振り返り、球児たちに「日々の練習の成果を発揮してほしい」と呼び掛けた。
選手を代表し、近江の中尾雄斗主将(3年)が「記念すべき年に野球ができることに感謝し、人々に笑顔と感動を与えられる、本気の夏にすることを誓います」と宣誓した。
智弁の文元主将は開会式を終え「ようやく始まったなという気持ちになった」と表情を引き締め、「甲子園は他の球場と雰囲気が全く違う。プレーしていてしんどさが気にならない、力をくれる球場」と話した。
初戦の相手・近江については「守備のチームという印象。自分たちは攻撃でどんどん仕掛けたい」と強調。「左投手が投げてくると思うので、打撃マシンで左投手対策をしている」と話した。
星稜(石川)と藤蔭(大分)が対戦した開幕戦のレジェンド始球式には、星稜OBで元巨人・ヤンキースの松井秀喜さんが登板。ワンバウンドとなったが外角に速球を投じ、大観衆を沸かせた。
松井さんは「お客さんが多く、力が入ってしまった。高校野球は自分の原点。選手の皆さんは100回大会に出られることの幸せをかみしめ、感謝の気持ちを持って全力でプレーしてほしい」と話していた。