火災から高齢者守れ 老人ホームで消防訓練

 高齢者等防火推進週間(14~20日)の19日、和歌山県和歌山市和佐の特別養護老人ホーム「みどりが丘ホーム」で消防総合訓練が行われ、自衛消防隊と市消防局が連携し、入所者の避難誘導や逃げ遅れた人の救出に当たった。

 高齢者入所施設の安全対策、災害対応の体制強化が目的。同ホームの自衛消防隊、市消防局7隊の36人が参加した。

 訓練は、施設1階の調理場から出火し、自衛消防隊が避難誘導や初期消火を行ったが逃げ遅れた人が数人発生し、上の階への延焼の危険があるという想定で実施。避難誘導を終えた自衛消防隊員は、到着した市消防に逃げ遅れた職員がいることを伝え、市消防ははしご車を出動させ、屋上で助けを求める人のもとへ向かった。無事に救助され、地上に下りた人は、救急隊員から負傷の状態などのチェックとトリアージを受けた。

 全員の避難と鎮火を確認した後、最後に一斉放水が行われ、消防車のホースから施設の壁に向かって勢いよく水が噴射された。

 訓練を終えた東消防署の島本源彦署長は「職員と自衛消防隊の適切な対応で救助と消火ができた。施設内の避難もスムーズだった。台風や地震などの災害も想定し、犠牲者を一人も出さないように、職員の皆さんには訓練を繰り返して災害対応力を身に付けてもらいたい」と呼び掛け、高齢者の防火について「早く避難できるように、火災警報器などでいち早く火災に気付けるようにすることが大事」と話した。

地上とはしご車から一斉放水を行った

地上とはしご車から一斉放水を行った