和歌山の特産販売も 南海なんばに複合ビル
南海電気鉄道(遠北光彦社長)は17日、南海なんば駅(大阪市中央区)直結の複合ビル「なんばスカイオ」を開業する。飲食店や伝統工芸品販売店の他、スーパーやオフィス、クリニックなどが入居した多彩な機能を持つ新たな施設。オープンに先立ち、15日には関係者向けの内覧会が行われた。同社では「関西空港と直接つながる国際交流拠点、難波の新たなランドマークとして、オフィスの集積だけでなく、商業施設としてもバランスの取れた複合的な施設を目指したい」としている。
同社は開業以来、発祥地の難波を中心にしたターミナル開発に注力。特に1994年の関西国際空港開港以降は、難波を大阪の玄関口として、ホテルや大型商業施設の開業など、駅を中心に開発を進めてきた。
新施設は「世界のNAMBAへ」をコンセプトに、国際交流拠点、日本の伝統文化の発信などを目指して開業。地上31階、地下2階。延べ床面積約8万5000平方㍍。2階から6階の商業フロアには伝統・文化・健康などをテーマに41店舗が入居。13~30階がオフィスフロアとなっている。
このうち5階は「伝統・文化の体験工房ほんまもん」フロアとし、訪日外国人客向けの店舗が軒を連ねる。日本酒を楽しめるフードホールや老舗の茶舗のカフェ、刃物や箸、漆器など伝統品の販売店が入る。
同階にはスターフードジャパン㈱(和歌山市田中町、新古祐子代表)が、特産品セレクトショップ「Region Style(リージョンスタイル)」を出店。関西国際空港店に次ぐ2号店で、食品や加工品、工芸品など全国各地の選りすぐりの商品約370アイテムを取り扱える。
グルテンフリーのバウムやクッキーの他、和歌山に関連した商品では梅干し、山椒やジャバラ入りの調味料も充実。イートインスペースも設け、農家発の藤桃庵(紀の川市桃山町)が出荷する和歌山のジェラートが店内で味わえる。
同店の久保敦子店長は「その土地土地のこだわり品を集めました。外国人のお客さまだけでなく、性別を問わず幅広い年齢層の方に楽しんでもらえる商品ばかりなので、ぜひ手に取ってもらいたい」と話していた。
その他、象印マホービンが、高級圧力炊飯器で炊き上げたご飯や家庭料理を提供する「象印食堂」は初出店。9階のメディカルフロアには、全国各地で医療施設を展開する南東北グループのクリニックが開院し、アジアの富裕層を中心とした「医療ツーリズム」も見据えている。