加太に生涯学習拠点 青少年国際交流セ開所
和歌山県和歌山市加太の少年自然の家がリニューアルし、生涯学習と国際交流の新しい施設「青少年国際交流センター」が16日にオープン。周辺住民らも参加しセレモニーが開かれ、獅子舞や吹奏楽の演奏などで祝った。
少年自然の家は施設の老朽化に伴い2016年に閉鎖。本年度中の新装オープンに向け工事が進められていた。
利用対象を従来の小中学生から全ての年代に拡大。延床面積は管理棟が1204・16平方㍍、宿泊棟が1436・02平方㍍。玄関を入ると紀淡海峡の海が見渡せる大きな窓が出迎える管理棟は、防音の研修室や広い食堂と多目的に使える施設が充実。天体観測ができる屋上は淡路島まで見渡せる。宿泊室は8人部屋と4人部屋の全22室で定員132人。いずれの部屋からも海が見える。キャンプサイトと飯ごうスペースには大きな屋根を設置した。
つつじが丘テニスコートや加太海水浴場など周辺施設を生かし、集団活動や自然探求活動以外にもスポーツ合宿や文化芸術活動、国際交流活動など幅広い生涯学習活動にも利用できる。周辺の遊具もリニューアルし、加太砲台の付属施設である明治期の弾廠(だんしょう)も修復。運営は加太の地域資源に詳しいメンバーで構成された「加太まちづくりグループ」が行う。
セレモニーでは地元の加太小学校児童が獅子舞で開所をお祝い。尾花正啓市長と松井紀博市議会議長、尾家賢司加太地区連合自治会長がテープカットを行った。尾花市長は「紀淡海峡が見える素晴らしいロケーションのもと、子どもたちに豊かな心を育んでもらいたい。新しい体験のできる場が地域活性化の拠点になってくれたら」とあいさつ。尾家会長は「地域で親しんできた少年自然の家が大きく変わってくれてうれしい。加太全体で支えて、協力していきたい」と祝辞を述べた。
施設内の研修室で西脇中学校吹奏楽部による演奏会、屋外では加太小中学生による飯ごう炊飯が行われ、生徒らは自分たちで炊いたご飯と、地元で取れたブリと野菜がたっぷりのちゃんこ鍋を味わった。