企業倒産が今後増加の可能性 和歌山県内4月状況

帝国データバンク和歌山支店がまとめた4月の和歌山県内の企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年同月比3件減の6件、負債総額は同2億4000万円減の1億6800万円だった。
負債額別でみると、田辺市の印刷業が8200万円で最も大きく、次いで紀の川市のリサイクルショップが3100万円で、1億円以上の倒産はなく、小口が大半だった。主要因は6件全てが販売不振で、依然として不況型倒産が多くなっている。
地域別では和歌山市が3件、紀の川市、田辺市、東牟婁郡が各1件。態様別では6件とも清算型の破産で、再生型の会社更生法や民事再生法はなく、特別清算もなかった。
同支店の分析によると、機械・部品メーカーなどで受注が低下している企業が散見されるなど、景気後退局面入りの兆しが見られ、小売、サービス業などの小規模事業者を中心に人手不足が顕在化しており、県内企業を取り巻く環境は良好とは言い難い。今後も消費増税や米中経済貿易摩擦など国内外に不安定要素を抱えており、経営改善のめどが立たない企業や資金面の支援が得られない企業などが限界を迎え、倒産件数は増加の可能性が高いとしている。