食の安全を体感 ハグルマ工場で親子教室

子どもたちに食の安全・安心への理解を深めてもらおうと、県は8日、トマトケチャップやソース類を製造するハグルマ㈱桃山工場(和歌山県紀の川市桃山町調月、中野秀彦社長)で「夏休み 食の安全親子教室~食品工場へ行ってみよう!~」を開き、親子16組34人が、食品工場の衛生管理の様子を見学し、手洗いの大切さなどを学んだ。

同社は、食品事業者の衛生管理水準を評価する県の認定制度で、「HACCP(ハサップ=米国で開発された食品衛生管理の手法)システム導入営業」の認証を取得している。

県食品・生活衛生課の村上毅主幹は「普段から口にする安全な食品がどのように作られているか、今回の工場見学を通じて学んでほしい」、同社の出立正則常務取締役は「商品がどのようにできるのか、どのような衛生管理をしているかなどを学んでもらい、夏休みの勉強や経験の一つにしてほしい」と参加者にあいさつした。

同社研究開発部品質管理課の橋口典代主任が工場の衛生管理について説明。職員に下痢や吐き気などの症状がないかといった健康状態の管理や、正しい作業着の着方などを話し、厳しい衛生管理の下で作業が行われ、製品が作られていることを伝えた。

続いて、岩出保健所衛生環境課の森本康弘主査が「ハサップってなあに?」と題して食の安全ミニ講座を実施。日本では一日当たり約3件の食中毒が発生していることを伝え、安全に食品を作るために、食中毒を起こすかもしれないところを事前に探し出し、対策を講じる考え方であるハサップの取り組みの大切さを説明した。

講座に続いて、普段は見ることができない生産の現場で、箱詰めなどの生産工程を見学。研究室なども見て回り、厳しい衛生管理の様子に子どもたちからは「すごい」と声が上がっていた。

手洗い教室では、汚れの落ち具合を確認できるよう、子どもたちは専用ローションを手に塗ってから普段通りに手を洗い、その後、ブラックライトを手に当てて残った汚れを確認。子どもたちは「うわ! まだ汚れてる」「手洗いって難しい」などと話し、衛生的な手洗いの方法を見に付ける大切さを実感した。

和歌山市の今西奏多君(11)は「ここのケチャップを家で使っているけど、どういうふうに作られているのか疑問だった。きょう来てみて、それが分かって良かった」と笑顔で話していた。

洗った手をブラックライトでチェックする子どもたち

洗った手をブラックライトでチェックする子どもたち