台風10号で交通の乱れ 850人に避難指示
大型で強い台風10号は15日、西日本を縦断し、各地に被害をもたらした。和歌山県内では人的被害はなかったが、鉄道各社は16日午前にかけて運休が相次ぎ、冠水や越波などで28カ所の道路が一時通行規制となるなど、交通は大きく乱れた。海南市では道路2カ所で崩落などが発生した。
県によると、16日午前10時現在で、1時間の最大雨量は有田川町川合で59㍉、同町吉備で58㍉に達し、累積雨量は田辺市大杉で854㍉、同市兵生で842㍉となった。
古座川と熊野川中流(本宮区間)では一時、警戒レベル4(いつ氾濫してもおかしくない状態)に相当する水位に達したが、氾濫はなかった。田辺市城ノ浦地区の一部や新宮市の熊野川中流域、古座川町平井地区の一部では計434世帯、850人に避難指示が出された。
和歌山市では、連絡所や小学校など21カ所に最大で41世帯、49人が自主避難した。海南市では、別所の市道と東畑の農道で一部が崩れる被害があった。湯浅町では伝統的建造物「旧栖原家」の土壁の一部が崩落した。
停電も県内各地で断続的に発生し、15日午後4時30分ごろには御坊市や田辺市など5市町で計約860軒に達した。16日正午現在、美浜町や日高町など4市町で計約150軒の停電が続いている。