奨学生との絆大切に 竹中養源会が創立80周年
和歌山県出身、在住の大学生や大学院生に奨学援助を行う公益財団法人竹中養源会(竹中一夫理事長)の創設80周年式典が24日、和歌山市友田町のホテルグランヴィア和歌山で行われた。
同会は糸商で財をなした県出身の実業家・竹中源助(1877~1958)が、優秀でありながら経済的な理由で修学が難しい学生を奨学援助し、社会の進展に寄与する人材育成などを目的に私財を投じて1940年に設立。卒業生は936人に上る。奨学金の他、年に1度の研修会など卒業生と奨学生の関わりにも力を入れている。
式典には卒業生や役員ら約70人が出席。竹中理事長は「同会では学生とのコミュニケーションや絆を大切にしてきた。今後も紀州の先人の伝統を守り、次の世代を支えてくれる人材をみんなでサポートしながら送り出していきたい」と決意を新たにした。
同会の卒業生でもある四天王大学の曽野洋教授と同会評議員の荒田茂夫さんが記念講演を行った。曽野教授は「紀州の教育史と竹中養源会の果たした役割」の演題で講演。「自分の受けた恩恵は後輩に」「資金は返すだけでなく次の世代への投資である」という基本理念が、奨学生や卒業生と共有できていることが他団体と比べて高い奨学金返還率につながっているとし、同会の存続のためにも基本理念が必要だと語った。