日本製鉄から鉄粉が飛散 車に付着など苦情
日本製鉄㈱和歌山製鉄所と同社などが共同出資する和歌山共同火力㈱は18日、和歌山県和歌山市湊の敷地内から6月26日ごろ、大量のさびた鉄粉が北西側約2・5㌔の範囲に飛散し、周辺の住宅のベランダや自動車のボンネットなどに付着する被害が発生したと発表した。今月17日現在で両社に約2100件の問い合わせが寄せられているという。
両社は県庁で記者会見を開き、和歌山製鉄所の衣笠秀典所長と和歌山共同火力の和南城寿一社長が出席した。
発表によると、鉄粉は同市古屋を中心に飛散。「車に付いた鉄粉がさびて取れない」などの声が多く寄せられているが、健康被害の訴えはないという。
和歌山製鉄所構内には和歌山共同火力の発電設備が3機あり、鉄粉飛散の原因は調査中だが、3号発電設備が定期検査後の試運転をした後に、住民らの苦情が相次いだという。
3号発電設備は1970年から稼働しており、煙突については6月末以降、飛散物の常時監視を行い、鉄粉の飛散は確認されていないという。設備は今月17日に停止させ、下旬にボイラー内部に異常がないか点検を行い、必要な対策を講じるとしている。
両社は松江、木本両連合自治会に説明を実施。鉄粉の付着により清掃費用が生じる場合は、両社の担当者が個別に訪問して確認の上、費用を全額支払う。
衣笠所長は「ご迷惑をお掛けして申し訳ない。問い合わせには一件一件、丁寧に対応していく」と話した。
問い合わせは専用の相談ダイヤル(℡073・407・5154、平日午前9時~午後6時)。