協力金要求は不当介入 和市が公共工事で通知
公共工事の落札業者に対し、協力金として現金を要求したとして、和歌山県和歌山市芦原地区の金井克諭暉(よしゆき)連合自治会長(63)が詐欺容疑で逮捕された件で、和歌山市は24日、今後の市の対応改善を報告。発注工事への不当介入に対する措置の通知や芦原文化会館の私的占有状態の即時撤去などの対応改善を行っていくとし、職員への調査なども進めると発表した。
尾花正啓市長が定例会見で答えた。対応としては、見積用設計図書の暴力団等による不当介入の中に「協力金の要求」を明記。職員、市建設業協会、県測量設計業協会、県建築士事務所協会に通知した。
また、芦原連絡所と芦原文化会館の一室の私的占有も判明したため、私物を即時撤去し、他に占有している場所がないかを調査する。その他、無許可で営業していたスナックのパーティー券の販売など不適切な対応については調査を進め、対処していくという。
同市では昨年12月に警察から捜査協力の依頼を受け、ことし2月に落札業者から、同地区の業務を落札し、契約した後に市職員と金井会長のもとへあいさつに行ったところ、職員を退出させた後で協力金として現金を要求されたと訴えがあったため、調査を始めた。
2014年以降の同地区での工事に携わり、現在も職員として勤務する10人に聞き取り調査を実施。金井会長に協力金を渡すところを見た職員はおらず、うわさ程度にしか協力金の存在を知らなかったという。12,13年度の工事に関しては必要に応じて調査すべきとしている。
部屋の占有については、会長就任の12年から少しずつ私物が増えていったため、私的占有という認識が薄かったとし、会議室や相談室として実際に機能していたという。
尾花正啓市長は「地域を束ねる連合自治会長が逮捕されたのは残念。協力金の要求について対応を明確にし、公共施設の占有も市でしっかり対応していきたい」と述べた。