1月県内倒産9件 うめどり業者破綻で負債増
東京商工リサーチ和歌山支店がまとめた1月の和歌山県内倒産件数(負債総額1000万円以上)は前年同月と同じ9件、負債総額は7億2800万円増の9億7900万円だった。件数は1月として過去10年間で最多タイ。負債総額の増加は、銘柄鶏「紀州うめどり」を手掛けていた有田養鶏農業協同組合と農事組合法人吉備食鶏組合(いずれも有田川町)などの倒産が影響した。
負債額は1000万円以上5000万円未満が6件、5000万円以上1億円未満、1億円以上5億円未満、5億円以上10億円未満が各1件。原因は9件全てが「販売不振」で、不況型倒産だった。
産業別ではサービス業他が6件、製造業と小売業、不動産業が各1件。地域別では和歌山市が3件、有田郡が2件、岩出市と橋本市、田辺市、新宮市が各1件となった。
形態別では6件が破産、民事再生法が1件、銀行取引停止が2件で、2カ月連続で私的倒産が発生した。
同支店は、県内の年間倒産件数が2017年を境に2年連続で増加し、小幅ながら増勢基調となっていると見ており、海外情勢の不透明感による為替や原油価格の影響、人手確保のための賃金引き上げなどが収益悪化に直結し、業績改善が遅れた中小企業を中心に倒産が増加に転じる可能性は否定できないとしている。